さくら高校に入学した田辺きみは、廃部寸前の弱小合唱部に入部。部の存続をかけて合唱コンクール全国大会を目指す・・・という合唱部をテーマにした青春マンガです。
しかし、謎の宇宙人によって手を加えられたプラズマ太陽の光を浴びた人々は皆異様な姿の超人となってしまった。それがウルトラマンたちである。そして、その反面、怪獣となってしまった動植物もあり、さらにプラズマ太陽の光の因子は全宇宙に散らばった。つまり、全宇宙に「怪獣」が存在することになってしまったのだ。
「合唱」をテーマとしていますが、これは結構珍しいのかな、と思います。
「のだめカンタービレ」
の大ヒットでクラシック音楽に対する垣根は低くなっていますが、合唱はまだまだマイナなジャンルです。「合唱」というと「読書感想文」と同じく学生の頃に「無理矢理歌わされた」感を持っている人が多いのではないでしょうか。
しかし、合唱は器楽と異なり楽器など不要な、誰でも参加できる「音楽」です。
田辺が入部した時点では部員はわずか5人。しかし、みんな個性豊かです。
林部長は合唱にかける熱意は人一倍ですが、その行動は非常に怪しく、森先輩はしっかりしていますがピアニストのホトケこと畠先輩に恋しています。
同学年の鈴木詔子は中学時代バレー部に所属していたものの腰を痛め退部。しかしながら天性の美声の持ち主で、同じくバレー部のマネージャーをしている壇あさみは彼女の声にコンプレックスを抱いています。
途中入部する山根ユウも含め、合唱のパートによる性格分けのようにそれぞれのポジションがはっきりしています。
合唱は声が良ければいいというものでもなく、いかに声を合わせるか、と言う点も重視されます。そういう意味で、壇あさみが、声の良い鈴木詔子にコンプレックスを抱きながらも自らの役割を認識し自信を持つようになるところなどはグッときます。
「一人で歌っているのではない」
だからこその「合唱」なのです。
全1巻とコンパクトにまとまり、甘酸っぱい恋のエッセンスをまぶした青春マンガですが、ほんわかした作者の筆致もあり非常に良い読後感を残す、良質の一冊です。