前作「おしゃれ手帖」は最初の二三冊であまりのシモっぷりに面倒臭くなってそれ以降読んでなかったんですが、最後の方は凄かったみたいですね。
その勢いで「ギャラクシー銀座」、って感じみたいで。カネコアツシ「SOIL」、いがらしみきお「Sink」とこの「ギャラクシー銀座」で、私は勝手に『日常への不信と違和感』三部作と呼んでます。
正常、平凡であるはずの日常生活が、一つの蝶番を軸に回転すると異常極まりない世界が開く。っていう。彼ら(カネコアツシ・いがらしみきお・長尾謙一郎)の日常への違和感、一般的に当たり前だと思われている風景への不信感が蝶番となり、その扉を開けると奇妙な風景が広がっていく。といった点でこれらの作品がつながるなと勝手に思ってます。
スタイリッシュにすると「SOIL」に、怪奇にすると「Sink」に、そしてギャグにすると「ギャラクシー銀座」。
凡百のギャグ漫画と一戦を画すとしたら、読者の、日本人の平均的な生活、一般論の「正常」をよく観察された上で「異常」を描いている、という点ではないでしょうか。普通であるということへの順応と欺瞞の間に生きる大人にこそ許された跳躍が、つまりここで描かれる狂気である、と。
子供じみた幼稚なばか騒ぎに笑えなくなった人に静かにえぐりとられるような笑いを。大人になってしまった人に、大人だから笑える狂気を。長尾謙一郎、こんなすごい漫画描くようになったんだなぁと、一読者として不遜な感慨を覚えずにはおられませんでした。
そしてどーでもいけど私、ハリス漆原がいちばんのお気に入りです。
サクセスッ! …ピシャ(窓を閉める音)
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