藤原カムイの初期の短編集の、2000年に出された"凍結版"です。
藤原カムイ=ロトの紋章、って人にはちょっと衝撃かもしれません。ポップアートです。
漫画も元気だったんですねー。今から20年ぐらい前からばりばりの現役で漫画読みだった人には馴染みが
あるかもしれないんですが、今20代前半くらいまでの私みたいな読者には衝撃の漫画じゃないでしょうか。
こうやって昔の漫画をひっくり返してみると、ありとあらゆることがやりつくされてますよね。
某IIKIとかが漫画の新人賞で「もっと新しい漫画を!」とか言ってたりしますが、
もはやそれはどうかなとか思ってしまいますよね。後進がやるべきことって、裾野が広がり過ぎて落ちに落ちた
漫画の質を上げることじゃないのかな、と思うんですが。このままだと作品の質の低下→読者の質の低下→
作品の質の低下っていう悪循環で、もうぐでぐでの破滅が待ってるとしか思えません。
果ては猿に漫画描かせるとか言い出しても、赤塚先生がやっちゃってますし。もはや「新しい」じゃなくて、
ちゃんと「おもしろい」じゃなくてはならんだろう、と。もはや同義じゃないでしょう。
えーと話がそれました。この作品は、記憶の不思議をめぐる短編集です。
そういうとらえ所のないテーマをポップアートな手法で巧く形にしています。
とくにお薦めは、『DE
JA VU 水の記憶』・『泡』・『皐月病と玉姫様』の3作です。
雰囲気重視して、イメージから何かを読み取る、っていう漫画なんで、ストーリー紹介しても対して面白く
無いんですが。雰囲気としては、内田百間で、梶井基次郎で、戸川純、って感じです。で、何が凄いって、
ほとんど絵のイメージで全てを語ってしまってるんですよね。
これは昨今の、綺麗なだけで魂抜けてる漫画の絵という要素にはとうてい持ち得ない力です。
けしてきれいじゃないのに、言いたいことが脳内でしっかり伝わってきます。
これ読んで、漫画という表現の持つ力を再確認して欲しいです、作家にも、読者にも。
この路線の『chocolate panic』、絶版になってる版のものが王子店に中古で入ってきてますので、
そちらの方も、運がよければ是非。
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