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物語は何気ない日常から始まる。草サッカーチームのメンバーが、それぞれ全く別な場所で偶然、長い物語を抱えた人(や物)に出会う。どの物語も“人知れず”伝えられてきた趣があり、日本では情報量の少ない諸外国を経ているのが共通点だ。南米ブラジルからアメリカ人将校の手を経て、戦後の日本に残されたレア物バイク・エルドラドの物語。屁が止まらず宇宙に行き損ねた、ロシア人宇宙飛行士の泣くに泣けない話。チェルノブイリの惨禍を生き残った、ウクライナ人消防士の孤独。バイキング伝説のフェイクのようにも聞こえる、ログ・キャプテンの派手な武勇伝。そして、ブラジル移民として長年離れ離れだった親戚との再会と追憶。―巻末解説より
朝日新聞でも絶賛されていた脅威の大型新人「シマトラ」のデビュー作。サブタイトルは「SECRET
STORY TOUR」。これがデビュー作とは思えないほどの完成度。天才黒田硫黄と同様、この人一体何才なんだ?と思ってしまう。膨大な知識、それに埋もれてしまうことのない確かな実力。絵は何となく「COCONUTS
CRUSH」のJERRYを思わせる。そして何よりも驚愕のストーリー。そう、本当に話がおもしろい。映画の脚本がすばらしいのと一緒だ。これって本当にあった話なのかな、と思ってしまうほどの綿密な構成、説得力。いや、本当にあった話も含まれているのかもしれない…いずれにしろこれだけストーリーを「語る」マンガに出会ったのはひさしぶりだ。今時ないぜ。個人的にいちばん好きなのはエルドラドの話。NYテロの勇士たちを思わせる消防士の話も好きだ。原爆ドームのくだりが印象的。そしてすべての話をつなげる衝撃のラスト!
内容も濃いし、字も多い。さらっと難なく読めるマンガが主流の今の空気には逆行してるけど、その分長く楽しめる。ちょっとした小説感覚?買う価値のある一冊です。
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