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【STORY】
なすすべもなくぼくらがこの世紀末に実感している「この世はもう終わってる」という現実。その“絶望”の感覚はすべての表現者たちをうろたえさせた。はたしてそれに真っ向から立ち向かって突きぬけることができた者はいたのだろうか。
【REVIEW】
松本大洋は、その風景の中にウォークマンやナイキやスケボーやケータイやピアスを当然のように描き込むことで、とどこおってしまった時間にとっての“今”を輝かせた。この人は決してただたんに若く、それゆえに青くけだるい風俗を描いていたわけじゃない。この人は切実に“今”を求めていたのだ。
その彼が劇団黒テント(過去に『鉄コン筋クリート』なども上演している)への戯曲として書き下ろしたのがこの本。トラックの運転手たちが交わす無線、家族の会話、ドライブインでの愚痴、そしてDJの囁き。パラダイスを知らないぼくらにとって、もしくはパラダイス―そんな物言いこそ唯一の希望として信じられるものではないだろうか。
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