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書評

 

黒田硫黄「茄子」 講談社刊  


【RE:VIEW】
 IKKIで連載中の「セクシーボイスアンドロボ」がこの作家の持つ奇想天外さがいちばん映える設定というか、真骨頂を見せつける作品だと思っていたが、同じく現在アフタヌーンで連載されているこの「茄子」もすごいことになってきた。

そもそも各話に共通しているのはあの野菜の茄子が登場するだけ、それだけの設定でまったくちがう話が次々と語られていく―それだけですでに十分脅威なのだが、単行本の第2巻からはそんな各話のキャラたちが絡んでいく。あるキャラの日常生活の中に他の話のキャラが自然に登場してくるのだ。そして割って入ってきたキャラの日常生活も以前と同じ割合で語られていく。もう本当に彼らが実際に生きていて本当にその辺のどこかで生活しているドキュメンタリーのようなのだ。そのくらいひとりひとりが生き生きとしてる。置かれてる状況が変わっていき、意外な展開をしていき、新たな側面を見せつけていく。でも考えてみればぼくらの人生とはそういうもので、ひとりの人間の性格だって多面的だし、今までのマンガがそういうところを表現してこなかっただけなのだ。そんなことないか?でも明らかに視点がちがうよなぁ。妙にリアル。マンガ界的にいうと変なんだけど、現実的にいうと自然というか。いや、やっぱ変なんだけど。マンガだから。いや、でも現実だってかなり変だよな、、、

しかし出てくる料理がおいしそうだ。食べ物がおいしそうに描かれているマンガには名作が多い、なんて話をどこかで聞いた気がする。



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