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書評

 

ピンポン 小学館刊 松本大洋著 全5巻


【STORY】
自閉的な少年スマイルにとって卓球で世界を取ると公言する元気のいい少年ペンはヒーロー。だが高校の卓球部顧問がスマイルにぺコを凌ぐ才能を見出し強引にその才能を覚醒させてしまう。

【REVIEW】
ぺコ・スマイル・風間・悪魔。最高のキャスティングで卓球の奥深さと少年の心理を見事に表現した作品。

松本大洋の作品の中でおそらく「これが一番好き」という人が一番多い作品なのではないだろうか。それだけ単純明快に面白いマンガである。マイナーと思われがちだが、実は誰しも1回はやったことのある卓球。これを見れば松本大洋流卓球世界観に今までの卓球観がひっくり返る(特に最終巻のペコVSドラゴンは壮絶!!)ことまちがいなしである。最高にかっちブーです。一人一人の愛すべきキャラたちも最高。

このマンガは最後には敗れていく脇役たちをとてもカッコよく書いたマンガだ。けっきょく最後に勝つのはヒーロー。ヒーローだけがその後も勝ちつづけていく。だけど松本大洋は敗れたものもヒーローと同じぐらい、あるいはそれ以上に愛情をそそいで描きつづける。それが他のスポ根マンガと一線を画す、このマンガのすばらしい特徴だと思う。昔からのアニメにしろ、ハリウッド映画にしろ、無敵のヒーローものには実はぼくたちは「リアルさ」なんてのはこれっぽっちも感じていなかったのだから。それは画面の向こうの世界での夢、またはおとぎ話でしかなかったのだ。

 





 

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