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【STORY】
1994年12月8日、漫画家花輪和一は銃刀法違反容疑で捕まり、実刑3年をくらった。趣味のモデルガンが行き過ぎてのことらしい。その獄中の生活をつらづらと描いた、刑務所日記である。
【REVIEW】
いろんなメディアで取り上げられ、今年の一冊にも入ってしまいそうなこの本。獄中手記はかずあるが、ここまで客観的、他人事のように描いたらまた獄中も不思議と親近感がわく。
規則正しい堀の中にあって受刑者唯一の楽しみが”食うこと”であると感じる。人間、世俗の楽しみを奪われると、まず、本能である”食うこと”を喜びの最前線に持ってくるのだと言うことがよく分かる。甘いものに飢え、毎日の献立を楽しみにする様はとてもほのぼのしていた。堀の外では受刑者の帰りを一日千秋の思いで待ち焦がれる家族がいるのに、規則を犯してまでこっそり、アンパンを食らうシーンは、食に対するアナーキーな感覚におそわれた。
おもしろいのは、自分の刑に対する感情、獄中の不平、不満、家族への思いなど完全に切り捨て、刑務所の中の日々の生活をビデオカメラのような客観的な視点で書き連ね、過去から続く、獄中という非日常の滑稽さをてらしだしているところかな。
筆者にとって、この作品が代表的な作品になるのは、皮肉なことかも。
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copyright/2000
青林工藝舎,花輪和一
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